不動産売却で電子契約は可能？

不動産売約を電子契約で行えるようになります。紙で交付されていた不動産売買の関連書類の電子交付や、売買契約のオンライン化などです。電子契約になることでどんなメリットがあるのか？注意点を含めて解説します。

2022年から電子契約が可能に

不動産売買が電子契約で行えるようになります。22021年デジタル改革関連法に伴い、2022年5月18日に宅建業法施行規則等が一部改正されたためです。従来、不動産売買に関する書類は紙でしか交付されていませんでしたが、電子交付ができるようになります。

不動産取引では、重要事項説明や宅建業者から交付の37条書面への宅地建物取引士の押印規制も廃止。宅建士の記名は引き続き義務として残りますがオンラインでもできるようになります。不動再売買のオンライン化も現実的なものになるのです。

電子化によるメリット

契約を進めやすくなる

契約業務の効率化が期待できます。従来の契約は書面でしてきました。売主と買主がスケジュール調整をし、契約当日に集まって書面で契約する形です。お互い忙しく時間が取りづらい場合、書類を郵送する形を取っていました。

電子化にすると、スケジュール調整がなかなかできず契約がだらだらと伸びる問題もなくなります。郵送の省略可、PDFや電子データで書類が確認できるなど効率面でのメリットがあるのです。

書類紛失のリスクを抑えられる

従来の契約書は製本された契約書類一式で保管します。問題は契約書類を紛失するリスクです。保管場所を「ここでいいだろう」といい加減に決めると必要時に忘れていると探し回らなければなりません。

デジタル化すれば、データ保存ができます。書類をなくすリスクも減るのです。保管場所の確保も不要になります。大事なものをなくしがち、整理整頓が苦手な人も安心です。

印紙代を削減できる

書類を作成するにも、費用はかかります。売買契約では諸経費に印紙代が含まれているのです。費用は契約書に記載された金額で変動します。たとえば、3,000万円の不動産取引なら、売買契約書には10,000円の収入印紙を貼り付けなければなりません。

売買契約書が複数なら、その分、収入印紙代がかかります。電子契約なら印紙貼り付けが不要なためコスト削減につながるのです。

参照元：品川不動産売却相談センター（https://bellstart.co.jp/blog/20220518104522-1195/）

書類内容を閲覧しやすい

書類内容をすぐに閲覧できるのもメリットです。クラウドのどこに保存をしているかきちんと把握できていれば、たとえ家にいなくても閲覧できます。「家のどこかにあるはず」「ここに保管したはずなのにない」という状況を避けられるのです。

電子化で気をつけたいこと

インターネット環境を整えておく

デジタル化はインターネット環境の構築が大前提です。ネット環境を構築していないと対応できません。とくに高齢者でインターネットを使い慣れていない人は一からの理解が必要です。人によってはハードルが高い方法といえるでしょう。

セキュリティ対策はしておくべき

セキュリティ対策は、重視しなければなりません。電子化するということは、コンピューターウイルスやサイバー攻撃のリスクを無視できないのです。セキュリティ対策をしていないと思わぬ被害にあう可能性があるのです。

情報漏洩や契約書データを改ざんされるのは大問題でしょう。契約書類の電子化には、適切なセキュリティがセットです。また、データが消えてしまう可能性も考えて、定期的なバックアップも求められます。デジタル化はリスクマネジメントをしっかりすることが重要なのです。

データは紛失しないようにする

家で保管する場合と同じく、データ紛失に注意が必要です。従来のように何枚もの書類という紙の保管ではないですから、ある程度保管は簡単ですが、方法次第で紛失するリスクは高くなります。

電子データだからこそ、保管方法に工夫は必要です。単純にパソコンに保管しておけばいいという簡単なものでもありません。セキュリティ対策と同様に紛失対策もしておいたほうがいいのです。紛失リスクがない場所に保管することを心がけましょう。

使う端末では契約内容が見えづらい

電子データを見るとき、紙のほうが見やすい場合もあります。紙の書類は印刷したものを確認しつつ契約ができますが、電子契約だとデバイスで見やすさが変わってくるのです。たとえば画面が小さいスマホだと、文字も細かくなります。

原文が見づらいため内容を把握しにくくなりかねません。電子データ自体に慣れていない人も苦労します。契約書の条文条項は多いですから、慣れていないと内容をしっかり理解できないリスクが出てくるのです。後のトラブルになるため注意が必要でしょう。

使用に慣れる必要がある

電子契約をする場合、ツールを使うこともあるでしょう。慣れていない、スマホやパソコンの操作が苦手だと、苦労することになります。ちょっとした操作ミスで契約書が消える、画面が固まるなどの不具合が出るリスクがあるのです。

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